4月13日は、チリントゥマークが生まれた日です。
本来の開業日は、とくに決めずに始めてしまったため、分からないのですが マークを作った日だということだけは記録があります。 (ちなみに開業届を出したのはまた別なので、計画的に開業された方で開業記念日のある方がうらやましい! 当時の私にその考えはありませんでした、トホホ) 2005年4月13日。 あれから16年ですか、、、、早い。 いや、長い。 ほんとに、いろいろありました。 今日は、これまで出会った数々の師達のお話をしたいと思います。 若い時、どうやってチリントゥを存続させれば良いのだろうと悩む中で 私でも読めるようなビジネス書に、各分野に師を持て!みたいなことが書いてありました。 当時の私には、これまたチンプンカン。どういうこと?とハテナが飛んでいましたが 今なら分かります。 なので、自分の気持ちの引き締めという意味でも、師のことを書いておきたいと思います。 ・紅型の師 知念績元先生 ・仕事に対しての心得の師 野村さん ・一人で仕事を成り立たせることの師 カクカメさん ・仕立てについての師 小原社長 ・パソコンの師 909宮澤さん ・教室の師 組紐工房そわの前田先生 ・・・・・・ 『紅型の師 知念績元先生』 私には天の上の人。 自分に厳しく弟子にやさしく、 技術に妥協は一切なく、ひたすら完成度の高さを追い求め ただただ良いものを生み出すことに心血を注いでおられました。 でも見かけはゆったりとのんびりとされています。 紅型のすべてを教えてくれた方、技術、デザイン、歴史、沖縄の自然。 ・ 『仕事に対しての心得の師 野村さん』 沖縄から京都へやってきて、大学で染織のイロハを学び さて独立したものの、染める技術はあっても どうやって仕事をとり、暮らしていけば良いかはさっぱり分かりませんでした。 そんな時、短大時代に出会いその後数々お世話になった方。 ろうけつ染めの染色作家さんで、お弟子さんを数人抱え工房を経営しておられました。 私は弟子でもないのに、白生地屋や蒸し屋を教えてくれたり、グループ展に参加させてもらったりと 大変お世話になりました。 その頃、私は精神的にとても未熟で、良いことがあれば大喜び!!(例えば雑誌の取材が入ったり、帯の注文が入ったりした時) 反対に、ミスをしたり、逆に仕事先でミスされたり、自分を一人前に扱ってもらえなかったり、売り上げが思うようになかったり というような辛いことがあると、ものすごく落ち込んでしまい、一人で立ち直るのが大変でした。 そんな時に野村さんが言っていた言葉。(確かリーマンショックの頃です。呉服界も打撃を受けました) 「いつも平常心でいること。」 この言葉を聞いてから、嬉しいことがあっても喜び過ぎず、辛いことがあっても心に若干フタをするようにして 自分の心のコントロールをするようになりました。 一人で工房を回して、一人暮らしで頑張っていくには、どんと構えていないと心が折れてしまう。 そのためには敢えて平常心が必要であることを教えてもらったように思います。 ・ 『一人で仕事を成り立たせることの師 カクカメさん』 京都で一人暮らしをしながら工房で制作の仕事を受けて生活する、その先輩でもあり同志でした。 お互いに仕事のことや生活のことなど、本当にいろいろ話をしたし、勇気づけられていました。 どうやって仕事を成り立たせ、それを継続させるか、その悩みを共有できる数少ない友人でした。 とにかく休まず、ひたすらコツコツを作る、良いものを送り出す、 お客様を大事にする、自分の作ったものを愛する、 沢山のことを学びました。 お互いの結婚により生活が大きく変わり様々な変化で今はお互い別々ですが あの時にカメちゃんがいてくれたからこうやって頑張っていられるのだと思います。 ・ 『仕立てについての師 小原社長』 帯の仕立てのプロフェッショナル。 出会いは、生徒さんの紹介でした。 帯の仕立ては細かいところで知識がないとオーダーに自信をもって対応できません。 染めることは沖縄できっちり学んだ自信があったものの、仕立てに関しては素人。 でも、帯の注文が入ったらお客様のご要望に合わせて帯を仕立てなければならないのです。 仕事を受ける中で少しずつ知識を蓄えていきましたが、 小原社長と出会ってからは各段に詳しくなりました。 さらに、着物の仕立ての師では、藤工房の先生。 今でも大変お世話になっております。 ・ 『パソコンの師 909宮澤さん』 染めることを仕事にするのに、染めるだけでは仕事にならない。 これは本当に大きな壁でした。 「私戸谷は紅型の技術を持ち、面白い模様を生み出すことができ、帯や着物を染めることができます。」(←すごい自信家みたい) ということを京都に住む人、いえいえ日本中の99.9999%が知らない状態を 少しでも変えるためには、発信しなくてはいけなかったのです。 1日のうち半分をパソコンの時間にしていることもザラです、 今でもです。今はスマホの操作が多いですが。 広報活動をするのに、チラシを作ったり、HPを作ったり、いろいろやらなくてはいけない。 その師匠が宮澤さんです。 今でもホームページ制作でお世話になっています。 ・ 『教室の師 お菓子の師 組紐工房そわの前田先生』 大学の卒業制作に組紐を使いたく、二年程組紐を習っていたことがありました。 とてもアットホームな教室で、行くと一緒に夕飯を食べて、 帰りには先生手作りの絶品お味噌汁などを持たせてくれました。 誰が来ても先生はやさしくゆったりしていて、狭い教室なのに居心地が良かったです。 紅型を仕事にしたい私を応援してくれ、まわりの方も一緒に応援してくれました。 正直、通っていても組紐については深く知ることまで出来ませんでしたが 自分もこんな教室をつくってみたいなと理想になった先生です。 そして、京都の数々の有名お菓子店のお菓子を口にしたのも、この教室。 一流の和菓子、洋菓子をたくさん目にし味わいました。 確実に私の舌が肥えました(笑) 御月謝が払うのが生活的にしんどくなり辞めてしまいましたが、 その後も個展に来てくださったり本当にお世話になりました。 ・ 様々な尊敬できる師のおかげで今も細々と続けていますが、経営についてだけは師匠おらず、、、。 今思えば、行政がバックアップしている創業塾のようなところもあったのに そのころは全く眼中になかったので、帳簿のつけ方や利益の出し方などは長年やる中で分かってきた感じです。 他にもたくさんの師がいます。 多くの方から学んで、吸収させてもらい、今も続けてこれています。 そして家族にも助けてもらっています。 何より、お客様と生徒さんのおかげで今も続けてこれています。 スタッフのおかげももちろんです。 16年目も初心を忘れずに、頑張ります。 どうぞよろしくお願いいたします。 工房チリントゥ 戸谷真子
by tirinto
| 2021-04-13 16:20
| 紅型をたどる
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